さっき見た夢の羅列
痛いとか思わないでね😑
Yと2人でカタログを見ていた。
Yは、木造の棚に葉がぶら下がってる写真を見て、こんなのが欲しいんだが、と言ってきた。
私は、良いじゃないですかと頷いた。
Yは言った。職場の冷酷な人間に何でこんなの欲しがるんですかと嘲笑われたんだと。
これを買うことで貴方様に利害はあるのですかと言ってやりましょうよ、と言うと
Yは、そうだねとだけ言って、台所へ珈琲を注ぎにいった。
本当は。私も、何が良いんだかさっぱり分からなかった。でも、Yが気に入っただけで、魅力的なものにも思えた。
台所から、独特な匂いが漂ってくる。
小さい頃、珈琲に憧れ「珈琲が飲みたい」と言いふらしていた日々を思い出して、マジ苦笑い。
匂いだけは良いんだけどな、とぼんやりYの様子を眺めていた。
窓の外には自転車で学校帰りの同級生が、3人。
重いペダルを漕ぎながら坂を登っていた。
背高のっぽ。あっちの世界では、自転車なんか乗れないのに、何でこっちの世界では先頭切ってんのよ。
続いて、知らん人。
最後に、汗でびっしょりの丸々とした男がこちらに気付いて手を振ってきた。
私は窓から身を乗り出して、手を振り返す。
ちょっと寄ってきなよ。
男は慌てて自転車から降りる。太った身体を揺さぶりながら、こちらに近づいてきた。
今行くから。
Yと男と3人で、木造テーブルを囲ってお話しした。クソみたいなしょうもない話。
でも、男はこんなに幸せなことはないと言った。
私もそう思った。
Yは、ボソッと、幸せは珈琲の味がすると言った。
いきなり粋なことを言うので、私はぶっと吹いた。
男は目を見開きながら顔を赤らめていた。
そのままグルグルと視界が揺れ動いた。
次の時には、真っ暗闇な世界にいた。
足に針が刺さったような痛みがした。
うぁー…うぁー…言葉にならない叫びを上げた。
狭苦しい更衣室の中で着替えをしている私の姿を思い出した。もうこれ以上入らないでくれ見ないでくれ。
昨日絵に描いた、地上に溺れる金魚みたいだった。
静寂の中、情け無い叫び声が醜さを際立たせていた。
また次の時には、痛みは引いた。汗をかいて不快だった。冷蔵庫から適当なジュースを引っ張り出して一気に飲んだ。喉が痛かった。
目を赤く染めながら、私はスマホと向かい合う。突然の光に目を細めた。2時33分。
今日だけ珈琲が飲みたい。
syrup16g 夢からさめてしまわないように