対話⑦〜Jさん〜「世界平和の創り方」

対話7人目は50代、Jさん。社会科教員の方です！

知り合い経由で繋がることができ、私の方からお願いしました。ありがとうございます😭

お会いするのはこの日が初めてで、緊張しました😂でも、実際会ってみると本当に話しやすくて、素敵な方でした…！ここには載せていませんが、最後の方ほとんど悩み相談みたいになってました笑

今回のテーマは「世界平和」について。

でも、決して固いお話ではありません。私でもわかるような身近なことからお話してくださり、あっという間の3時間でした。

たくさんの人、特に若者に見てもらいたい内容となっています！

それでは、対話スタート…

😊：今日はよろしくお願いします！

J：お願いします。😊さんの対話ブログは、Fくん(対話③)の記事を読んで知りました。凄い素朴な疑問なんですが、何でこの活動を始めたんですか？

😊：私は小学生の時から今まで、ずっと自分の性格や考え方が「少数派」なんだと思いながら生きていて、「多数派」であることが正しいと言われている世の中に、生きづらさを感じていました。
でも、政治の勉強をするようになってからは「1人1人違って良いんだ」って、自分を少し認められるようになりました。
高校では、恩師との出会いから、署名運動やキンロクハン(毎週金曜6時半に帯広駅前で政治の呼びかけを行う活動)にも参加するようになりました。そこでは大勢の人に政治を伝えることができ、何よりも仲間がいる！と嬉しい気持ちになったんですが、若者が「関係ない、何か怖い」とサーッと避けて遠ざかっていくのもやっぱり感じました…。
そこである時、今の対話ブログを思いつきました。対象を「大勢」から「個人」に映すのはどうだろう？って。目の前にいるたった1人のために政治のことを話す機会があるのも面白いと思いましたし、何よりも私自身が「私個人を見て！」「私が！救われたい！」って思いが強くて笑　だからこの対話ブログは大勢ではなくて一対一です。

ウフフ。自分のことばかり喋っちゃった笑

Jさんは、何で教員になろうと思ったんですか？

J：凄いですね。実は、高校を卒業した時には全くそういう方面ではなくて。最初は専門学校に入ってCM制作の勉強をしてたんですが、問題を起こして学校を退学になりました。で、次は心理学に興味を持って、臨床心理士を目指すために大学に入ったのですが、当時は国家資格もなく臨床心理士で食っていくのは難しかったんですよね。なので、大学の教授と相談して進路をまた考え直すようになり、結果、教員を目指すことになったのですが…。

えっとー。つまり、中2くらいから僕の考えていることは変わっていないんですよ。「世界平和」にしか興味ないっていう。CMに興味持ったのも、「人々に何かメッセージを送るCMって凄いな」って思ったからだし、心理学に興味持ったのも、「心のケアと世界平和の結びつき」っていうか。

「世界平和」と自分の進路を改めて結びつけて考えた時に、「世界平和」のためには政治・経済が絶対で、その根っこになる部分はどうやら教育だなって考えるようになりました。それが教員になったきっかけですね。

😊：そうなんですね！そもそも、どうして「世界平和」を考えるようになったんですか？

J：うちの親父が、60年安保の時代の人で。親父は「平和」のために理想を掲げてずっと活動している人だったんですよね。でも、その理想はなかなか叶わないじゃないですか。子供の頃、そんな親父の姿を見て「みんな、願っているはずの"平和"がどうしてこんなにも叶わないんだろう」っていつも思ってました。

テレビのCMでも、エチオピアの子どもが(飢餓で)お腹が出ている様子が放送されていて、「大変だな」って子どもながらに思って見てて。でも、ぼんやりと「いずれ大人が解決するんだろうなぁ」って思っていました。実際は、中学生になってもその問題は解決されず、まだ同じようなCMが流れていたので「え？大人たちって何してるの？」って衝撃的で。

また、それと同時に「もしも、僕がエチオピアに生まれていたら、あんな風に餓死していったんだろうか。あれは俺なのか？」という恐怖心が出てきたのを覚えています。それが「世界平和」を考えるようになった根っこの部分ですね。

😊：そうなんですか。今はここまで極端ではないですが、私も小さい頃にめっちゃ疑問に思ったことがあって。「貧しい人がお金持ちの人のお金を少し盗むことは、格差をなくしている・平等にしているだけではないの？」って思ってたんですよね。成長して、政府が本来それをやるべきだと知った時は呆れました…。

J：それ、ネズミ小僧じゃないですか笑

政府の役割の一つとして、「所得の再分配」があるはずなんですが、正直出来ていないですよね。1日で60億稼ぐ社長がいる一方で、1日食べるものにも苦労する人がいる。

もっというと、そういう格差とか貧困とかの議論も「自己責任」っていう言葉に集約して、議論自体が排除されていますよね。何か議論しようとしたら、「いや、貧乏なやつも頑張れば良いんだ」みたいな感じで今の世の中を肯定化しちゃうっていう。何もハッキリ言って自己責任じゃないですよ。生まれたところは選べないんだし、具体例を上げると東大生の6割は親が年収1000万以上だっていう統計があるんですよ。社会的な連鎖が続いている。

「自己責任」が貧困から抜け出すことを困難にしています。

😊：教員をしていたら、それこそ「格差」を感じる場面がたくさんあると思うんですが、どうでしょうか。

J：進路指導の時に就職希望の生徒に「どうして就職を希望したの？」って聞くと、「私のお家は進学許されないんです。お金ないので。」って言われることが結構あって。そこには、その生徒の判断があるということを一つ視野に入れて考えつつも、「もし、お金の心配しなくても大学に入れるのならどうしてた？」って聞いてみたくなります。それでも「就職」っていう子もいると思うけど、そうじゃない子もたくさんいると思います。こんなにも生まれた環境で人生変わってしまうのかって、教員やってる人は必ず目の当たりにしますね。でも、深刻に思っていない教員も多いですよ。当たり前のように「しょうがないなぁ。お前んちー」って。おかしくないですか？

😊：おかしいです。

J：「可哀想になぁ」じゃねえよって思いますよ。ただ、そこを指摘したところで、僕がその家庭のお金の事情を変えられる訳ではないですが、それでもやっぱり聞いてみたい。「お前の本当の人生像って何よ？」って。

😊：「教育格差」は本当にいち早く改善しないといけないと思います。ただ、知り合いに自民党を推している人がいて、その人は「企業にお金を回さないと日本から海外に逃げていって、経済が回らなくなる」っていう主張をしているんですが、それについてどう思いますか？

J：「企業が儲からないと困る」っていうのは、事実ではあるけれども、じゃあ「海外に逃げる」ってどういう意味かというと、「安い労働力を買っている」っていうことなんですよ。海外に企業が逃げる本質は、「コストを下げてたくさん儲ける」っていうことですよね。

「安く働かせる」って人権に関わることだと思います。もし、本当に世界が平等になれば、どこへ企業が逃げたところでそこの儲けは殆ど変わらない。

つまりは「経済がどうだ」とか以前に「人権意識」が低いんですよ。「企業は儲からないと困る」はある一段階までは正義だけど、その先は正義じゃないと思います。「日本でコストかかるからミャンマー行って、安い労働力買います」って。ミャンマーの人の人権どう思ってんのよ？って話ですよ。

でも、僕は「世界平和」を突き詰めると、自民党を支持している人であろうがしていない人であろうが「うん。そうだよね。」って言い合えるような気がしているんですよ。みんな願いは一緒だから。

「何か戦争が始まって、自分の大切な人の命が脅かされるなんて嫌ですよね？」「同じこと考えているじゃないですか。自民党も共産党も。」ってなると僕は思っています。

😊：今、教育の在り方は変えざるを得ないと思うんですが、Jさんは教員として、何か教え方に気をつけていることはありますか？

J：例えば「憲法9条は、こういう単語が入るから覚えときなさい」では、何の学びにもならないんですよ。「Know-how」(どのように)じゃなくて、「Know Why」(なぜそうなのか)が大事なんですよ。

これからの社会を見据える上で、「どうして戦争は無くならないの？」「どうして今、トランプはこんなこと言ってるの？」っていうのを考えるプロセスを、すぐに踏めるようになるための訓練を、教材として選ぶようにしています。

そこには、僕自身が「あ、お前そうやって考えているんだ。それは知らなかった。」って思うこともあって良いと思うし。

だってね。今、大体のこと調べれば載ってるじゃないですか。それを、みんな同じ方向に前ならえで「俺も覚えたよ」「お前も同じこと覚えたのか！」「よし！じゃあよーいスタートで競争な！」「俺90点、お前80点やった〜勝ち〜」って…。

いやどっちでも良いよ！って笑　本当にどっちでも良い。そんなことよりも「俺はこんな発想でこうだと思う」っていう学びが大事だと思います。

😊：ちょっと視点は違うかもしれませんが、今の世の中って「議論」が少なくて「排除」だけが加速していると思っています。例えば、芸能人の不適切な発言などが日々ニュースに上がり、ネットで叩かれているのを見るじゃないですか。それって、一見被害者を擁護しているように見えて、本質的ではないと思っています。だって、根本的な解決にはなっていないじゃないですか。

私は、決して「加害者を黙認しろ」ってことを言いたいわけでは無くて、「これ以上被害者が増えない」ために「議論」が大切だと思っています。

やっぱり「議論」なしでは世界は救えないし、もっと言うと、今の世の中は「排除」によって「排除」を生み出し、どんどんミスが許されないっていうか。冷酷になってきていると思います。

J：そう！いわゆる「同調圧力」ってやつにも繋がりますよね。同じことを考えていることが良くて、ちょっと外れた人を攻撃して叩いて排除して…。今の風潮がそればっかり。

一見、「加害者」を叩くことって正しいとされていますが、僕なんかが思うのは「加害者だって、元々加害者になりたかった訳ではない」ということです。「その人が5歳だった時まで遡ってみようよ」って思います。

加害者だって、5歳の時から「俺は凶悪な犯罪者になるんだ！はっはっは〜」なんて思っている訳ではないです。みんな幸せになりたかっただけなんです。どこかしらの複雑な過程で、結果、犯罪に傾いてしまってたっていう。そのプロセスに目を向けることで、「もしかしたら次の犯罪を防止することが出来るよね」ということが本質的だと思います。そして、もしも僕たち1人1人がそのプロセスを考えることに力を使えたのなら、「社会福祉」の在り方が必然的に変わってくると思います。犯罪だけでは無く「教育格差」などを無くすことにも繋がると思います。

J：うーん。そもそも政治についてみんなで話すということが、難しい世の中ですもんね…。ちょっと喋ると「マナー違反だ」みたいな。でも、「政治」って全てだもんなぁ。

今の世の中は「人と違うことを見せてはいけない」っていうね。多様なもの同士認め合うことを当たり前にしておかないと、これからの社会にとってはキツイと思います。

「まあ、アイツとはここは合わないけれど、俺と仲間。繋がっているな。」こんな社会の方が素敵ではないですか。

「"ONLY" is not "LONELY" 」("ひとりぼっち"は"寂しい"ではない)ですよ。

また、違う意見＝敵＝はい！攻撃！ではなくて、「世界平和」を導くのなら、「違う意見の人に届く言葉を探そう」っていつも思っています。

攻撃する言葉は響かないんじゃない？って。

😊：たくさん素敵なお話が聞けました。今日、朝起きて「うわ。上手に喋れるかな？」って緊張していたんですが、今感動しています。

好きな〇〇シリーズをお聞かせください。好きな言葉は何ですか？

J：好きな言葉。難しいな〜。

僕ね。JAGATARAっていう、1980年代のバンドの影響を受けて生きている。JAGATARAが大好きなんですよ。その中の歌詞があって。

「昨日は事実　今日は存在　明日は希望」。

この言葉はしょっちゅう自分を励ます言葉にしていますね。

JAGATARA /都市生活者の夜

　https://youtu.be/kHGYrhqno3g

😊：めっちゃ素敵！うんうん。そうですね。

J：で、音楽で言うと、これまたJAGATARAなんですけど。「みちくさ」っていう曲かなぁ。

😊：どんな歌詞が好きですか？

J：全部歌っちゃいたくなるほど、全部好きなんですけど笑　もうね。この息苦しい世界のことを語っていて。あーエネルギーが必要だなって思う時に良く聴きます。

聴くたびに「お前はどうなんだ？」って投げ掛けられているような気持ちになります。「恥ずかしく無く、真っ当して生きよう」って思いますね。

歌詞の一部↓

お前の考えひとつで どうにでもなるさ

時は流れ人はまた去る(思い出だけを残して)

とんだところでみちくさしちまったぜ

たまらん世界に､たまらん奴等
たまらん男につまらん女
たまらん世界に､たまらん奴等
たまらん男につまらん女
たまらん､たまらん､たまらん､たまらん
やりたい事が一杯残ってる

JAGATARA /みちくさ

https://youtu.be/duijfH4vrAQ 

ーーおしまいーー

もう、素敵すぎませんか？😭　文章打っていて、一人でうっとりしてました笑

今回のJさんの対話の後、私は「世界平和」について考えることが増えました。考えた時、私が真っ先に思い浮かんだ言葉は「個人の尊重」でした。

個人とは、"個々別々の一人一人"。尊重とは、"価値あるもの、尊いものとして大切にすること"です。

多様性を認め合うことは勿論、

「もしも、あそこで今、苦しい思いをしている人が、私や私にとって大切な人だったら…」と、"自分事"として捉えること。

きっと、国境を超えた一人一人のこの気持ちが「世界平和」を作るんじゃない？って。

対話を通して、そう考えるようになりました。

あ、最後に。対話の後、私もJAGATARA聴いてみました…！本当に素敵な曲で、"みちくさ"はもう20回くらい聴きました！皆さんも是非😆